緋襷(ヒダスキ)ストーリー 第二章

みなさん・こんにちわ

 前回はブロックについて色々と申し上げましたが、今回はその中でダイアト-ンDS28Bのときのエピソードをお話ししたいと思います。

 このスピーカーを使っている頃は、キースジャレット「ソロ・コンサート」が世の中、と言ってもジャズファンだけかもしれませんが、大評判で(たぶん皆さんはケルンコンサートの方をよくご存知かもしれません)私も一番のお気に入りでした。アンプは確か4台目のサンスイAU7700を主に聴いていたわけですが、このときにブロックからレンガに一時替えてみたのです。確かステレオ誌に掲載されていた金子英男先生に影響受けたと思います。
その時の第一印象は音がボヤケタ感じで全く好みでは有りませんでした。理由はよく分かりませんが(これまでの私は理由などあまり考えたことが無い)ピアノの低域がハッキリせず、解像度がなく、つまらない音になったのです。要するに感動できない音になってしまったのでした。
この音の変化は大きく変わったのではなく、ホンノ微々たるもんでしたが、当時の私はスピーカーケーブルが10センチ長くなっても、短くなってもそ差を感じ取る事が出来ていたのです。(だから江川三郎先生の言われる事は良く分かるのです)見栄えの悪いブロックよりは幾らか見た目が綺麗だろうという理由から交換してみたのですが、これには妥協する事ができませんでした。
その後、いろいろと場所を変え、高さを変えてみたのですが、どうしても納得できる音にはなりません。 元に戻そうにもブロックはすでに友人が持って帰った後でしたし、また仕方なく買いに行くのですが、今ならホームセンターがどこにでも有りますが当時は全くなく、ブロックの製造元まで突き止めて買いに行ったのです。
ブロックは安かったはずですが、探すのには、まる一日車を乗り回していたような気がします。 オーディオにハマッテしまうと、こんな非常識でバカゲタ事を平気でするようになってしまうんですんねえ。今度はブロックを模造紙で包んで使ったのです・・・すると同じようにツマンナイ音になったのです。んーーーーこれはどうした事か・・・・? このときに初めて色々と理由を考え始めたキッカケになったような気がするのです。よく言われることですが、オーディオは理論理屈では解決できないんですねエ。このことに私は初めて気が付いたのですが、先人の方はよく知っておられました。ホント、身を持って体験できたエピソードでした。
 事のついでに、私はダイヤトーンの大ファンなんです。DS251とソニーTA1120の組み合わせは今でも最高のものだったと思っていますし、2番目はDS28BとAU7700です。
そうなんですヤマハはないんです。3番目がアンプジラと4343でしょうか・・・。これでお分かりのように高額な商品、或いは新しい商品が良い音がすると思っていらっしゃる方も居られると思いますが、違うんです。要は使いコナシなんです。(実は高額な商品も、新しい商品も使ったのですが名前は出しません)ハッキリ申し上げて、今の新しい商品は到底これらの音には及びません・・・・・・と言うより私が感動できないんです。もし、新しい製品が良い音がするという方程式が正しいのなら、ウエスタンのアンプを使っている方は、トンデモナイ音で聴いていることになりますね。最近アルテックはどんなものか聴きはじめようと思ったら、プロショップの人が言うんです。「止めた方がいいですよ、アル(AL)中になるよ」ってね。アッそうーか、私はダイ中になっていたのだと初めて気が付いたのです。
ダイヤトーンがオーディオから撤退して久しいですが、本当に淋しい限りです。
2S-305から日本のスピーカーの歴史がはじまったと言っても過言ではないでしょう。
日本の優秀な頭脳が集まり、技術の粋を集めて完成されたこのスピーカーの音色を私は最高傑作だと思います。特に中高域が魅力的でした。今でも惚れ惚れするのですが、この中高域の音色は日本人だけが作り得る事が出来たと思うんです。なぜなら、日本人はずーーと遥か昔から自然の音を聴いてきたのです。春には鳥の声を、夏には蝉の声を、秋には虫の音を、冬には・・・何だっけ、ま・いいか。今では鳥の声を聴けない環境の人も居るでしょうが、そうではないのです。日本人が生まれながらに持っている感覚、センスなのです。今流に言えばDNAの中にズートずーと蓄えられ、組み込まれているのです。この、うぐいす、蝉、すずむしの鳴き声を忠実に再現する事が出来たのが、この2S-305だったのです。 海外に目を転じると、弦だけは優秀、管楽器だけは良い音がする・・・と偏っているではないですか・・・。
 なんかもう永遠に続きそうなので、この辺で備前焼インシュレーター「ヒダスキ」に付いて語らないといけませんね。
先のプロショップ(カック倉敷)の人(チーフアドバイザー原さん)が言うには「フェルトかラバーを貼らないと売れませんよ」てね。傷が付かない方が良いに決まっていますが、音を犠牲にはしたくはなかったのです。今まで、すでに買ってくださった方の多くは、CDプレーヤー、アンプ等に使われていると聞いていますが、私の体験ではフェルトを貼ると、インシュレーターを使わない方が音が良かったりするのです。こんなモノを買ってくれる人は、(スミマセン)フェルトなんか自分で貼ってくれる人だと思っているのです。ホームセンターに行けばいろんな種類のフェルトを売っている事だし・・・・・ね。
 最後に、CDプレーヤー、アンプ等に使用れる方に私の経験をお話します。
一応、茶碗に例えると・・正方向、逆方向(伏せる)とします。この場合も3点支持が基本となります。先ず、前2箇所のインシュレーターの左右内側に正方向2箇所で支えます。後ろ側は、左右のインシュレーターの真中に1つ、今度は逆方向で支えます。いくらか入出力に近い方が良い事も有ります。何れもネジの頭に当たらないようにして下さい。だだ、使い方はご自由ですので、何か良い使い方を発見した人は内緒にせずに、ご報告をお願いしますよ。
では、この辺で失礼します。

次回のお知らせ:次回、第三章はいつになることやら・・飯田明先生が絶賛されているようで、売れて売れて、今大忙しなんです。
AVビレッジ1月号に掲載されます。先生へのお礼も兼ねて皆さん買ってくださいね。
私も買います。