みなさん、明けましておめでとうございます。
番外編ではチョット過激で失礼しました。
しかしながら、お叱りのメールは一通も無かったので取りあえず一安心でした。去年のことは忘れて先に進みたいのですが、一つだけ質問にお答えします。何故、趣味とか遊びで作るものに良いものが多いのか?・・・・・・にお答えする前に、そんなの当然と思ってらっしゃる方は (*)にお進みください。
さて、企業の定義は?というと、ご承知のように「利潤を追求する」ことにあります。 新しいものを開発する場合,当然のことながら研究費(予算)、開発期限、販売予測台数、販売価格等が決められるのですが、趣味の場合、それが全くありません。従って、自分の納得するまでトコトンコダワルのです。期限なんかは勿論なくて、一生続く事もマレでしょう。
オーディオを趣味にしている皆さんは、多分一生続くのではないでしょうか?
一例を申し上げますと、私がサラリーマンの時代に、ヤマハCD-1aが発売された後にも、シャーシを銅メッキして研究していた事があるのです。しばらくすると、上司から「評論家の評価が良かったのだから止めなさい」と言われたのです。ついでに、このときの音はどう変わったか?気になるところでしょう。ボーカルのサ行がキツク、シャクレタような声だったのです。 ソースは中嶋みゆき、五輪真弓でした。(別に私の趣味ではなかったのですが、タマタマ試聴室に有った)私は未練がましくも、絶対に悪いハズが無いと思いながらオーディオ回路の設計者に診てもらったところ、電気特性(ノイズ成分)は非常に良い事が分かり、DAC以降のオーディオ回路を最初から作り直せば、もっと(販売されているCD-1aより)間違いなく良い音になると言うのです。余談ですが、このときのオーディオ回路の設計者が、最近発売になったデジタルアンプ設計者のN氏です。昨年末から各社雑誌にもよく顔をのぞかせているようです・・・・MX-D1だったか、興味の有る方は買ってくださいね。このときの実験で確認した事を内緒で(全然内緒になってない)皆さんに公開します・・・他言無用ですぞ!
1.トップパネル(天板)を外すと高域が伸びて爽やかな音になりますが、力強さは後退する。
2.トランスをシャーシから取り外し、シャーシの外側に置くと解像度が上がり心地良い音になる。
3.ボトム(底板)を取り外すと、低域の迫力には欠けるが解像度は上がる。
4.ボトムを厚さ1ミリの錫メッキ鋼板に取り替えると、低域が伸びてピラミッド型の音になる。
以上の事は、別にCDプレーヤーだけでなく、プリ・パワーアンプに付いても同じだったのです。私はCD-1aを自分の好きな音に改造して使っていましたが、10年以上に渡って、この音を超えたCDプレーヤーは(スチューダ、マッキン、フィリップスを含めて)無かったように思います。本当にN氏の実力と感性はスゴイです。
だいたい以上ですが、20年前の事をなんで忘れもせずにハッキリ覚えているかと申しますと、実は後にも先にも似たような事をやっていたのです。勿論のこと、仕事で研究した事なのですが、私にとっては半分は趣味のようなものでした。私がこのような事をやりだしたキッカケは、故・長岡鉄男氏がデンオンPRA2000に鉛塊を載せると音が良くなる・・と言い出したことに始まります。私も同じように、インゴットの代わりに使っていない軽めのアンプ(HMA9500は恐怖を感じたのでヤメ)を載せたのです・・・・ナルホド・確かに力強い音になったのです。この事がキッカケで、だんだんとエスカレートし始めて、HMA9500のラジエター(冷却フィン)の上に文鎮を載せたり、コンデンサーの上にアイロンを載せたり、冬には電気コタツの中にアンプを入れてウオームアップしたり・とまあ、ハタから見ると頭でも打ったのではないかと、さぞ思われた事でしょう。
皆さんの中にも、長岡氏のファンもいらっしゃることでしょう。中には、教祖の如く傾注している方も御出でとか聞きます。んーー、これは困った事だ!とかく日本人はマネの好きな人種だと海外から言われておりますが、或いはエコノミックアニマルでウサギ小屋に住んでいるとか・そんな事はほっといてくれと言いたくなるのですが、マネは駄目なんですよ・・・マネはね。古くはスレッショルドの擬似A級アンプ、アンプジラのDCサーボ(初期はACサーボ)、何れもマネでなくて良いところを盗んで違うものに仕上げたのです。(メーカー名は今更言うまでも無いでしょう・・・殆どのメーカーです)私は長岡氏のマネはしませんでした。が、しかしアイデアはたくさん盗みました。なーんだ、同じじゃないか・と思われるかもしれませんが、実は天地ほどの差が有るのです。マネは自分の思考を停止してしまうのです。対して盗むと言うのは試行錯誤して考えに考え抜いて自分のモノにする事なんです。おかげで、私のオーディオシステムは評論家のどなたにも負けていませんよ・・・・・・・多分ね。評論家のアイデアは殆ど盗みました。江川、金子、長岡、岩崎、井上、菅野、上杉先生他、各先生方のアイデアは殆ど盗ませて頂きました。そして私が考え実験した事は、どこにも発表していないのですから・・・・・・負けるハズが無いのです。勝った負けたの問題ではなく、本当は自分の好きな音楽が響いていれば関係ないんですよね。
(*) だんだんと話がズレてきているようですので、昨年のお約束通り「ヒダスキ」の上級編に付いてお話しましょう。左の写真は私が「ヒダスキ」を使用しているほんの一例です。(随分と散らかってるなーとお思いの方は・大きなお世話です)左の写真がJBL4343用のドライブアンプで(このアンプを知っている方は相当のマニア)今はフルレンジで使用しています。隣にアンプジラⅡが顔を出していますが、勿論現役で、音の方は、かなり近いレベルになっていると私なりに思っています。他にはB2、B3*2(BTL)、907LEX.、B2301,M508,JOB300,サイテーションXX,MC2500等、今までに50機種以上のアンプに同様の事をやってきて、95%以上は効果が有り、また、半数以上のアンプについては激変です。どのくらい激変かと申しますと・それは飯田明先生がよくご存知ですのでAVビレッジ1月号をご覧下さい。
ここで、効果の無いアンプとは一体何なのか、何故なのか?・・・・気になる所ですが、それに付いては次回でお話しますのでお楽しみに・・・。
さて、殆どのアンプはトップカバーを外さないと、ご覧のような事は出来ませんので、くれぐれも言っておきます。自分でアンプを自作するレベルの方だけです。絶対にやらないで下さいよ。だから上級者編なのです。備前焼だからショートしないので大丈夫と思わないで下さい。
昔、N氏がアンプはエージングしないと良い音がしないと言って、スピーカーの代わりに8Ωのダミー抵抗を繋いでFMを流してエージングしておりました。同じようにマネをしたユーザーがいて、抵抗が焼けて火事になったのです。このような例は一万人に一人かもしれませんが、この事件で評論家の方々は恐れをなして、同様の記事を書かなくなってしまったのも事実です。これは、明らかにオーディオ界のマイナスでしょう。もう一つマイナス原因として言っておきたい事は、「評論家が良いと専門誌に書いていたので信用して買ったら良くなかった、どうしてくれるんだー」という投稿です。これは自分がモノを見る目がなかった、或いは評論家を見る目が無かったという証拠なのです。反省すべきは自分自身です。そういう方に私は言っておきます・・・・コンポのグレードアップより先に、自分のグレードアップを図りなさいと。評論家の方たちは宣伝マンではないのです。「買って下さい」とは書いてな いハズです。 ましてや、音の好みも千差萬別・マチマチなのです。
いや!また!キツイ事を書いてしまいました。でも、許してくれますよね。
さて、下の写真は自作4ウェイマルチ用のミッドハイのドライブアンプです。フルレンジで4343をドライブして、効果を確認の上で使っています。目の醒めるような高域の伸びとキレです。とにかく美音で、このアンプは非常に優秀で、備前焼を一つずつ載せる度にドンドン音が良くなって、写真のようにしますと、今のアンプでは太刀打ちできないほどです。オマケにとても便利で、初段を12AX7を片CH.1本だけ使用して、一段増幅とカソードフロアーでMosFETのドライブインピーダンスを下げて使っていますので、手持ちの12AX7の評価にモッテコイなのです。10種類以上調べての結果はテレフンケン2、5番よりもシルバニアが音質的に良かったので使っていますが、ノイズレベルは圧倒的にテレフの勝ちでした。試しにMC275の初段に使ったのですが、夜はウルサクテ聴けたものでは有りません。チマタでは、このテレフ.12AX7がかなりの高値で取引されているのもウナズケマス・でもタカスギル。12AZ7なんかはメンタマ飛び出ますよ!!長々と書きましたが皆様のお年玉になればと思い・・・長編になりました。
ではまた、次回をおたのしみに・・・。