「新潟県事業引継ぎ支援センター」というところから手紙が届きました。
その資料によると日本の中小企業、小規模企業の1/3が後継者未定でこのまま放置していると、今後10年間の間に650万人の雇用、約22兆円のGNPが失われる恐れがあるそうで、優れた技術、経営ノウハウ等が途切れてしまう。
こうしたことから後継者不在の事業者の後継者探しをお手伝いするため中小企業庁が「事業引継ぎ支援センター」を全国都道府県に設置したという内容の資料でした。
地元の企業でも創業者が高齢化し徐々に世代交代が行われていますが、後継者のいない会社はそのまま廃業されるケースが増えています。
特殊な技術や部品を作っていた工場が廃業すると、そこと取引していた会社が大変なことになります。
最近、海外での日本食ブームで和包丁の輸出が増えていますが、地元では包丁の木柄を作る木工屋さんの多くが廃業した為、折角受注が増えても木柄が間に合わず包丁メーカーは大変困っておられるそうです。
当社でも過去に、備前焼インシュレーター「ヒダスキ」、戸澤式レゾネーター。スピーカーユニットではロイーネやマーキュリーが製造者の廃業で製品の廃盤を余儀なくされました。SSCスーパーサウンドコーティングも2回の危機がありました。
そういう当社の場合も私の代で終わり、いつかは廃業しなければと考えていました。
空いた工場を貸し倉庫などにして余生を楽しもうと思っていました。
しかし、幸い長男が三代目として会社を継いでくれることになり、今後も何とかスピーカー作りを継続できることになりました。
少しずつスピーカー作りのノウハウを息子に伝えなければならないのですが、こんな楽しい仕事、まだまだ自分でやりたいと技術伝承が遅れています。