大変難産でしたが、ご依頼のUMU-5.5Mが完成致しました。
A様の思惑通りに大変斬新で素晴らしいデザインになりましたが、どうでしょう?
装着ユニットは支給頂いたFE108-Solです。
「人工大理石のコーリアンボードでフロントバッフルやサイドバッフルを作ったら?」というアイデアは以前からありましたが、オーディオ評論家の故、江川三郎先生がコーリアンボードでバスレフスピーカーを作ったら全く無機質な音で失敗だったという記事を見て、コーリアンは響きの少ない素材なので、インシュレーターとしては最適ですが、スピーカーBOXの素材としては全く向かないと思い込んで実験さえもしませんでした。
なので、今回このスピーカーのご依頼をお受けした際、私自身その音質にはほとんど期待していませんでした。ただデザインの面白さの方を期待していました。
しかし、完成したこのスピーカーの音を聴いて、私の考えは間違いだったと気づきました。
低音の出方が今までと全く違うのです。ウッドベース、バスドラムなどの低音が、ボクシングで言うハードパンチャーのドッスーンという重いパンチ風で、低音の芯に重い塊を感じます。
Solユニットの力もあると思いますが、それにしてもドッス、ドッスっと凄いのです。
そして全体に締まりがあるのです。響かないコーリアンが幸いするのか、箱の残響音が少なく、ピッシ、ピッシと小気味良く音が締まり、バスレフに近い鳴り方をします。
楽器やコーラスの定位もピタッと決まっています。
バスレフスピーカー全体にコーリアンを使ったものと違い、音道の壁面のみでコーリアンを使うためにバクロードの良さをそのままに、質量がありながら振動を吸収するコーリアンの特長が加わったものと思われます。
お陰様で新しい発見をしました。
低音に力強さの欲しいジャズ、フュージョン、ロックなどに最適と思います。
近日中に商品を取りに来て頂けるとのことですが、この音質を聴いて頂けることを今から楽しみにしております。