天下の達人がお勧めのジャズ専用スピーカーの音とは、このようなものであるかと、素直に付き従うようにして聴き入っております。耳慣らしを兼ねて勉強中です。聴き始めて十日ばかり・・・いろんな気づきがあって面白いです。
これまでのスピーカーはDIATONE 2S-3003にメーカー指定のアンプAMCRON PSA-2・・・NHK福岡のモニタールームにあった機材が払い下げになったものを手に入れました。もう一つがELECTRO VOICEのGEORGIAN Ⅳ、遺品の頂き物です。このほかに自分がキットで組んだ小型のスピーカーやら通電テスト用の無名のSPやらなにやら。どれで聴いてもそこそこに良く聞こえてしまうとお伝えしておりました。
今回チャンネル・デバイダーを入れまして瞬時に音を切り替えることで比較がしやすい環境を作って聴き比べをやっております・・・早くこの機材を使っておけばよかったのに!といささか悔いております。SPによってこんなに音が違う(てんで出ていない音さえあった!)ものかと呆れています。そんなことすら聞き分けることができずにいたのかと、もう笑ってしまいます。
鮮烈な音ですねえ。音が前に迫ってきてキラキラしています。パーカッションの高い音がほかのSPに比べますと断然鮮明。シンプルな打楽器演奏を聴けばもっと分かるだろうと思ってアフリカの太鼓演奏を聴きますと、太鼓の縁をバチで叩く・膜をシュッとこするなどの固く鋭く高い音が鮮明に聴き取れます。衝撃音や摩擦音に強いんですね!
ベースやコントラバスなどの低音の艶となるとさすがに上の二つの大型SPにはかなわないようですが。
中高音では見事だが低音には難があるのかな・・・と思いまして、スコットランドのバグパイプのソロ演奏を聴いてみましたら、別の意味で驚きました。バグパイプの音は、ボー~という単音のうなりに近い無旋律の低音部とパイプの高音のメロディーからなりますが、コーンからは高音が、ホーンからは低音が、ほとんど別々に出てきます。これがバックロードホーンの威力、「朗々と鳴る」理由かと腑に落ちました。しかもバグパイプの低音に関しましては、ハセヒロSPの方がくすみ・こもりがなくていい音だったと感じました。
なんでも飲み食いに例えた表現をする癖があるのですが、もぎたての果物・釣れたばかりの魚の刺身といった趣の新鮮な音だと感じております。
もう一つの驚きは、(これも私の耳が鈍いせいだと思いますが)CDプレーヤーとアンプは、つまり音の上流部分による差は聴き取れない・・・[SONYのSACDプレーヤー + 上記のアンプの組合せ]vs[中学生が使うようなポータブルCDプレーヤー + タバコの箱程度のサイズのアンプ(キットスピーカーの付属品)との組合せ]で鳴らし比べたのですが、私の耳では差異を聴き取ることができませんでした。もしも目隠しテストをやられたら区別はつきますまいね。
高級機についての毎月の雑誌に出るオーディオ評論家の賞賛の一方で、アマチュアたちが集まって5万円と100万円超のアンプでもって厳密なブラインドテストをやったら結果的にほとんど区別がつかなかったというネット上の記事を見たことがあります。趣味の世界のことに差異の有無で目くじらたてるのもまた大人げないのですが・・・。
このところの一番の収穫は「耳の貧弱な素人の自分にとって、金をかけるべきはSPだ!」という気づきでした。
そこでお願いですが、貴社のクラッシック〝専用〟SPの紹介と見積もりをいただけませんでしょうか。来年の誕生祝いの候補に挙げておこうと思います。先年、村井裕弥さんが雑誌で取り上げておられたUMU-131XSはどのジャンルに向いたものでしょうか? よろしく お願い申し上げます。