白い紙風船。
先日、「MM-131SSを使っているのですが、スピーカーユニットを交換しようと思って外したら、中に白い紙風船みたいなものが入っていました。これは入れておいた方が良いのでしょうか?」という質問を電話でお受けました。
当社の完成品スピーカーの空気室には、吸音材として全てにこの紙風船が入っています。
中を見られた方はビックリされると思います。
昔は「戸澤式レゾネーター」という商品を入れていたのですが、製作者の戸澤氏が体調を崩されて製造中止になったために、代わりに自社で同等なものを作って入れています。
(UMU-191Mには大きい風船を4個入れています。奥の黒い吸音材は、以前一般発売していた「不思議な繊維シート」です)
グラスウールやフェルトなど、従来の吸音材は音波の振動を繊維の熱エネルギーに交換させることによって音を衰退させるのですが、「戸澤式レゾネーター」は面振動で音を衰退させる方式で、聴感上、従来の吸音材とは違った効果があります。
これを入れると空気室内での音の反射が収まり、落ち着いた音になります。
低音も少し増えます。
なので、他の吸音材と一緒に、必ずこの三角立方体の紙風船をいくつか入れています。
質問を頂いたお客様に、以上のことをご説明すると「確かに、これを入れないで鳴らしたら少しやかましい音になりました」と言われました。
良かった!効果を実感してもらっていました。
煙のように、音が目で見ることができたならば音作りも楽だと思いますが、耳で聴いての音調整は感性を伴う難しい作業です。
「ボーカリストの歌心に感情移入できるか?」「歌詞の情景が心に浮かんでくるか?」
微妙な調整で微妙な違いが出ます。
だから、楽しい作業でもあります。塗装の種類によっても音が変ります。
これからも楽しい音作りを続けますのでよろしくお願いいたします。
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